2014年1月1日水曜日

恥から見た自己愛パーソナリティ障害(17)

これって、書いているうちに随分大きいことのような気がした。人間は基本的に怠惰にできている。文明の進行は、人がいかに手を抜いて、つまり「便利に」仕事をしたりレジャーを楽しむことができるか、という方向性を必ず含む。以前は本屋さんに出向いて買っていたものを、今はパソコンでワンクリックで自宅まで届けてくれるんだぜい? そして対人関係においても、エラくなるとは、対人関係で手抜きをしてもいいということを意味する。
ということでまだ1(自分が(他人に比較して)偉大だという感覚は、それを許容する社会的な環境とともに自然に増大する)の解説をしているわけだが、まず根拠に上げなくてはならないのは、それが独裁者が必ずといっていいほどたどる道だからだ。
昨日ネットで恐ろしい記事を見つけた。決して字数を稼ぐという目的ではなく、引用しよう。

 【ソウル=豊浦潤一】北朝鮮で政権ナンバー2だった張成沢朝鮮労働党行政部長が処刑されたのは、張氏の部下2人が、党行政部の利権を軍に回すようにとの金正恩第1書記の指示を即座に実行しなかったことが契機になったと20日、消息筋が本紙に語った。
 金正恩氏はこれに激怒し、2人の処刑を命じ、国防委員会副委員長も務めた張氏らに対する一連の粛清が開始されたという。
 部下2人は、同部の李竜河第1副部長と張秀吉副部長。消息筋によると、2人は金正恩氏の指示に対し、「張成沢部長に報告する」と即答を避けた。激怒した正恩氏は「泥酔状態」で処刑を命じたという。
 部下2人は11月下旬に銃殺され、驚いた2人の周辺人物が海外の関係者に電話で処刑を知らせた。韓国政府はこの通話内容を傍受し、関連人物の聞き取りなどから張氏の粛清が避けられないことを察知した。最終的に処刑された張氏勢力は少なくとも8人いたという。
201312211041  読売新聞)
これこそ独裁者の進んでいく道なのだ。私は正恩氏が口答えをされた時の気持ちが手に取るようにわかる。「こいつらなめとんか!」おそらくここで彼を止める周囲の人がいたら処刑は実行されることはなかったのであろう。しかし実際にはそうではなかったようだ。そうして逆鱗に触れると処刑されてしまうような独裁者を冠した恐ろしい国家が成立してしまっているのである。