北山:あなたの時代にこの「枯葉」がはやったの? あなたの時代に流れてヒットしたの?
岡野: いや、そんなことないです。この曲とのそれなりの出会いが、大学時代にありました。この話をすると今日のテーマにもつながるんですが、要するにフランス語に対する恋愛ですね。大学時代に、お茶の水のアテネフランセというフランス語の語学学校に通い始めたわけです。同じアテネフランセの先輩になだいなださんがいらっしゃいますが、彼が言っていたのは、「私にとって正妻は医学で、フランス語は愛人のようなものだった」と。私にとっては正妻は英語で、愛人はフランス語だったです。で、イブ・モンタンという歌手は声域が低くて、私も高い声が出ないんです。この歌を聞いたときに非常に惚れ込んで、私の声域でも歌えるような気がした。
北山:ほほう。
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