例えば認知療法のトレーニングを経ることで、12種類の自動思考をマスターしたとする。All-or-nothing thinking (全か無かという考え)、Catastrophizing(これは大変だ、とすぐパニックになってしまう)、Disqualifying or discounting the positive(ポジティブなことに目をつぶる)Emotional reasoning(感情的に推論をする)、Labeling(レッテルを貼る)、Magnification/minimization(過大/過小評価する)などなど。
認知療法家がこれらに非常に重宝しているかといえばそうでもないだろう。結局これらの12の自動思考は、分析でいうスプリッティング、ないしはオールオアナッシングの考え方をいろいろ言葉を変えて表現しているだけという気がする。人間の心の根源的な性質であるスプリッティングを深く理解することは、認知療法以外でも、例えば精神分析でも必須なのである。
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