2012年7月22日日曜日

続・脳科学と心の臨床(56)

右脳は無意識に相当するなのか?

このテーマ、実は書き出すのが少し気が重い。よくわかっていない。「うん、面白い、書きたい」という盛り上がりが、まだない。ただ時代はこの方向性なのだ。フロイトの無意識を脳科学的に考えるとしたら、それは右脳である。うーん、よくわからないが、オーンシュタインやショアなど複数のエキスパートが言っているし。それにこんな本まで出ている。早速注文したけれど。


その種の論文を書かなければならないし、この「続・脳科学と心の臨床」の最後の一つの重要なテーマにはなるし・・・ということで書き始めよう。

でも無意識って、概念としてはもうあんまりピンと来ないんだよね。分析家の癖にそんなことを言うなんてとんでもないことはわかっているけれど。だって無意識って、もう脳全体、という感じなんだもの。無意識が不思議だったら脳が不思議だ。右脳が不思議、というんだったら左脳だって不思議じゃん。言葉=意識=左脳、というのは安易すぎる気がする。そこらへんを省いて一気に「無意識は右脳でござい」というのはどうも納得がいかない。でもこの本「The Right Brain and the Unconscious: Discovering The Stranger Within」をぱらぱらめくったら少し考えが変わるかもしれない。それにその前に私は読まなくてはならない本がある。Alan Schoreの本Affect Dysregulation and Disorders of the Self “ (W.W. Norton & Company, 2003) の第8章“The Right Brain as the Neurobiological Substratum of Freud’s Dynamic Unconscious”である。