2012年2月7日火曜日

心得9.心に常に天秤を思い描く(マインドフルネス)

昨日のアップし忘れ。

この心得は、実は他の心得に対してそれを総合するようなものである。というのも他のいくつもの心得が、結局は中庸の重要さ、バランスをとることの大切さに関連しているからである。だからこの9は特に必要というわけではないかもしれない。ただし最近欧米の文献でしばしば聞かれるマインドフルネスとの関係で加えておきたい。
マインドフルネスはいわゆる弁証法的行動療法(DBT)を提唱したマーシャ・リネハンが精神医学に導入した概念と理解しているが、その根幹にあるのが、この心のバランス、ということである。これをリネハンは、情緒的な心と知的な心の間のバランスであるとしている。マインドフルネスmindfulness という言葉自体は、仏教のsati から来ていて、awareness気付きという翻訳があてられることがある。しかしわかりやすく言えば、心が一方に傾こうとしている時に、もう一方の見方とのバランスを取るということである。その意味で私が心の天秤と言い表すことに近い。
(以下略)