認知行動療法ばやりである。精神科外来でも、認知行動療法を行なうことが保険点数に加算されるようになった。でも精神分析を学ぶことから入った私は認知行動療法にはずいぶん前から疑問を持っていた。それは特別新しい療法なのか?それは果たしてどれだけ有効なのか?精神分析的な療法とどこが違うのか? これらの点について療法家は一定の理解をもっていて欲しい。
認知とは要するに「考え」であり、理屈である。例えば「自分は●●である」とか「過去に自分に起きたことは●●という意味を持っていた」などの思考内容をさす。認知療法とは、私たちが普段持っている考えを変えることが、症状を軽減するということを目指す療法である。
(以下略)