今日は、表参道にあるこどもの城で精神分析関係の講義を午前と午後と行い、その後お通夜に参列した。私の勤務先の大学院院長開原成充先生が先日ご逝去されたのだ。講義が終わって喪服に着替えて駆けつけたが、開始時間を過ぎ、すでに弔問客の長い列は建物の外に広がっていた。恐らく零度に近い寒空を一時間ほど並んでようやく献花をすることができた。
開原先生とは色々な機会に話し合う仲だった。時には談笑し、楽しい時を過ごしたが、臨床心理学専攻の在り方について強い口調で意見を申し上げたことも一度ならずあった。開原先生は年もずいぶん上で、大学院での地位もはるかに上だったために、私も反抗的挑戦的な面を出すこともできた。ずいぶんご迷惑をかけたこともあったと思う。
思えば若い頃は、上司に対して私はかなり反抗的で生意気な態度を取ってきたものである。相手が強い立場で、私が多少攻撃的なことを言ってもびくともしないと感じられるからこそできたことだ。ところが最近自分自身が年を取ることで、私が生意気な態度を取れる人々が減ってしまっている。開原先生は時に本気になって相手をしてくださる、数少ない上司だったのである。
改めて感謝の意とともに、ご冥福を祈りたい。