2010年12月12日日曜日

シリーズ「怠け病」はあるのか? その6 

今日は東京フォーラムで国際トラウマ解離学会の日本コンポーネントの会があった。いろいろ刺激になった。また別の機会に書こう。その後会場の隣のレストランで忘年会。最後は柴山雅俊先生にいろいろな先生方の似顔絵を描いてもらった。私も一枚描いていただいたのでここに掲載する。「女性の場合には慎重に、男性の場合にはテキトーに描く」、ということだ。でもすごくうまく出来ているように思う。

(承前) 怠け病のもう一つ重要な要素がある。それはあたかも症状を誇張して表現しているかのような印象を与えるという点である。「本当はたいしたことがないのに、病気のフリをしているのではないか?」「他人の同情を買おうとしているのではないか?」という疑いがそれに対して向けられる。「熱っぽいので、仕事を休ませてください」という電話に対して、「甘えているんじゃないのか?」という疑いを持つことは、自分があきらめ・怠けモードにあることを正当化するために、その根拠を周囲に過剰に申告しているのではないか、と問われることをも含むわけである。
そこで最終的に問いたいのが「現代型うつ病」についてなのだが、告白すれば、私はこの「現代型うつ病」というのがわからないのだ。しかし確かなのは、このうつ病が最近急増している、と考えられるらしいこと、そしてこれが実はうつ病モドキという扱いを受けていること。一種の怠け病という疑いをかけられる傾向にある、ということである。怠け病はない、という私の主張を当てはまるならば、「現代型うつ病は、本当のうつ病である」という結論に至るはずだが、本当にそうなのだろうか?
一度実はこのことについて思考をめぐらせたことがあるが、一応そうなった。しかしちょっと複雑な理屈が絡むのである。そのことについて少しゆっくり考えてみたい。