女性にDIDが多いのはどうしてか、男性にASDが多いのはどうしてか?この問題について再考する。私は「続解離性障害」(p87)でバロンコーエンのE的(共感的)とS的(システム化が旺盛)E的という考え方を援用し、女性的なEが行き過ぎるとDID、男性的なSが旺盛だとASDになるという仮説を立てた。これは柴山のいうDIDに過剰同調性(解離の構造 p138)が見られるという見解とも通じる。しかし女性のDIDにはASD的な傾向も強い。なぜか?柴山はこれを「アスペルガーの解離群と関連している」とも言っている。一つのヒントとなるのは、ASDもまた非常に共感的だという内海の説である。つまり両者は別の意味で共感的だということである。
ASDは 直観的な共鳴 sympathy 自分は 他者により飛び散る(質量が不足しているから)。
定型者は 心を介する共感 empathy 自分は存在しているが後ろに下がる(質量が十分だから)