2024年9月19日木曜日

統合論と「解離能」13

 色々調べれば調べる程「統合派」は少ないという印象を受ける。統合をクリアーカットに打ち出しているのは、Richard Kluft や、その影響を受けた1970年代からの長老たちとUSPTの小栗先生だけなのだろうか? おそらく統合はテクニカルに難しいということを経験として知っているからであろうか。それはそうである。5歳の女の子と、20歳の感情的な男性をどのように「統合」できるであろうか。しかしここに一つ臨床的なヒントとなることを聞く。それはAさんが、もう出なくなったBさんの記憶や好みを引き継ぐという現象である。比喩はとても不味いが、あたかも臓器移植を受けたように? ただし臓器移植と違うのは、Bさんは私の考え方では決して死ぬことがないからだ。彼は休眠状態にあるだけであるが、その好みや考え方については誰かにそれが移行される、というよりはコピペされる、という現象である。ここでコピペと表現し、「移行」、ないし「移譲」、という表現を使わないのは、それがBさんから消えてしまうということは想定していないからだ。Bさんが起きた時は、その特色は恐らく同じように備えているであろうが、Aさんもそれを併せ持っているという状態であろうと考える。 あるDIDの方(主人格 : 女性 ) はもともと女性的な格好をすることを好ましいと思っていず、(以下省略)