私は以上のプロセスを「取り入れのプロセス」として描いたが、それはあなたがおおむねその教育機関での方針を受け入れ、実際に取り込んでマッサージ師になっていくだろうからだ。しかし次に論じる「離脱のプロセス」はこの「取入れのプロセス」においてはすでに静かに始まっていた可能性がある。 先ほどすでに述べたことだが、あなたは教育マッサージを受けつつ、その上級者のマッサージのやり方をそのまま受け入れ、受け身的にその施術を受け続けるとは限らない。というのも時々その上級マッサージ師とのすれ違いが、より頻繁に起きるかもしれないからだ。「そこ、もっと力を入れてやってくれませんか?」とあなたは要求するかもしれない。すると上級マッサージ師は「わかりました。ではそうしてみましょう」と言うかもしれないが、「いや、ここはこのくらいがいいんですよ。私の経験上そうなんだから」と言うかもしれない。また教育マッサージ師が次のように言ったとき、あなたの反応は込み入ったものになるだろう。「今は少し痛いかもしれませんが、きっと後で効いてきますよ。」「本当は気持ちいいはずですよ。あなた自身がそれに気が付かないだけです。」何しろあなたはそれを受けている張本人であるから、「どうしてあなたに私の気持ちがわかるの?」と疑問に思ってもおかしくない。(以下略)