2020年6月13日土曜日

ICD-11における解離性障害の分類 5


6E65)二次解離性症候群
Bの並びの中に突然姿を現す6Eの「二次的解離症候群」が掲げられている。これは精神科以外のものに由来する、「顕著な解離症状(例えば離人非現実症状)」であるという。例えばインフルエンザで解離症状が出現したら、これに属する、ということか。これは解離はいかなる状況でも起きうるという理解や覚悟の表れかもしれない。
さて次が問題の
(6B10)
運動、感覚または認知領域の解離症Dissociative Disorder Of Movement, Sensation, Or Cognition
これは運動、感覚、または認知症状により特徴付けられ、それは、運動、感覚、または認知機能の正常な統合の不随意的な不連続を意味する。そしてそれはわかっている神経系の疾患または他の精神的または行動的障害、または他の健康状態と一致しない。
そして第2回でも書いたが、その神経症状としては以下の12が網羅されている。それらは神経症状のうち何が主たるかにより分かれているが、それがかなり網羅的である。それらは視覚障害、聴覚障害、めまいやふらつき、その他の感覚異常、非癲癇性けいれん発作、発話障害、麻痺または脱力、歩行症状、他の運動症状、認知症状、特定の症状、特定されない症状である。
しかしこの網羅の仕方はほとんど私たちが示す症状のあらゆるもの全てを含む。もう少し言えば、神経症状として呈されるものはことごとく転換症状でもありうるということだ。昔から言われていた、ヒステリーにおける症状の分布の仕方の特徴(例えば神経の走行とは異なる症状の分布の仕方)などはナンだったのか、ということにもなろう。