2019年10月1日火曜日

ありえない!と思った話

 先日「あり得ない!」という体験をした。東京駅で出発間際の新幹線の15号車に乗り込んだ時に異臭がする。煙草だ。自分の席に向かう途中で、な、なんと喫煙者がいるではないか! そこから煙がもうもうと(すこしおおげさだ)上がっている。見るとあるオヤジ(差別用語)が涼しい顔で座席でたばこを吸っている。しかも、3つ先の席でももう一人のオヤジが煙草を・・・・。私はこれは暴挙だと思った。ある男が周囲からの非難を覚悟でゲリラ的に喫煙をはじめ、それを見たもう一人の男も「それならオレも!」と吸い始めた。これは犯罪的な行為ではないか、とさえ思った。「みんなで吸えば怖くない」というわけか? しかもほかの乗客はそれを見咎めて注意する様子もない。だから日本人は困る。私は「あり得ないだろ!」というジェスチャーをしながら自分の席に着く。周囲の乗客はよくこれをほっておくな、と思いながら。(でも私もこの時点では放っておいた一人だ。)車掌が回ってきたらすぐさま訴えるつもりであった。そして煙臭い車内の指定席に座って遠くから見える二本の煙の柱を忌々しく眺めていると、ナ、ナント前の席のオヤジ(差別用語)までもが煙草を吸い始めたではないか!! 気が弱いが正義感の強い私は決然とその男の肩をやや強めに叩き、「喫煙やめてもらえますか!!」と言った。幸い、その男性は穏やかな人だった。「ああ、そうですか・・」と消しにかかったが、この辺で私も気が付き始めた。どうもおかしいぞ。自分が勘違いをしているようだ。そしてそのオヤジに指摘されたことには、何と、新幹線にはまだ「喫煙車両」が残っていたのである。急いでアイパッドで調べてみると、一時間に一本ほど、15,16号車に限って喫煙車両があるとのこと。しかも座席のアームには、引き出すと出てくるではないか、もう何年も前に最後に見たような煙草の灰皿が!
あり得ない! 灰皿なんて
今は正義感ぶっている私も、幼少時は煙草の煙がもうもうと立ちこめる蒸気機関車の客席で、片道75分の汽車通学を毎日続けたものである。私の灰、じゃない肺はその時の発がん物質のタールをしっかり蓄えているはずだ。今更この歳で副流煙を回避してもおそらくまったく意味がないであろう。
  でもそれにしても日本の新幹線、どうなっているんだろう。東京発18時13分の下りの「のぞみ」は、ひときわ旧式の車両(700系というそうだ)だった。でも車両が旧式で灰皿がアームに残っているというそれだけで喫煙車両にするというのも本末転倒という気がする。ひょっとしたらこの旧式の車両には7号車に喫煙室が設けられていないタイプだから、という理屈なのだろうか? そうかもしれない。
全くどうでもいい話。