2018年12月31日月曜日

解離の本 68

静かな大晦日である。しかし今年の冬は暖冬、ということだったのだが…。

4)陰で糸を引く黒幕人格

黒幕、という言葉から、私たちはこの「陰で糸を引く、裏で支配する」というイメージを思い浮かべるだろう。そこからこのような呼び方がなされるようになったのだ。そしてそこには彼らを多少なりとも持ち上げているというところがある。患者さんや、治療そのものの運命が彼らの振る舞いにかかっているというところがどうしてもある。そして彼らは通常非常に強い力を有するために、彼らの力を借り、取り込む(協力してもらう)というところがなければ治療は進まない。勿論その協力には「お引き取りいただく」ということも含まれる。
もちろんこの陰で糸を引くという性質は、患者さんを昔陰で操っていた人が取り入れられているという部分も含まれる。つまり昔トラウマを与えてきた人は、直接の加害行為を行うことなく、しかし隠然たる力を持ち、近づくのも恐ろしいほどの「畏れ」の対象であったかもしれない。そしてそれには当然親の存在も含まれる。というかそれがメインの部分だ。私たちは大人になってからは、子供にとって自分の何倍もの背丈と何十倍もの体重を持つ親がいかに恐ろしい存在となり得るのかを想像できないことが多い。しかもそれは子供のファンタジーの中でいくらでも倍加しうるのである。いかに親がどなったり手を挙げたりした記憶がなくても、彼らは十分黒幕的な威力を持っていた可能性があるのだ。