2014年5月27日火曜日

解離の治療論 (41)欧米における解離の治療論(15)

2段階についてもう少しちゃんと書こう。
「第2段階においては、人格間の交代は頻発しなくなり、主人格との治療関係性が深まる。それとともに主人格が幅広い感情を体験できるようになり、過去のトラウマについての取り扱いも、人格交代を起こすことなく行うことが出来るようになる。」「「主人格を選定し、治療関係を結ぶことにはときには困難が伴う。23の人格の共存や競合が避けられない場合が少なくないからである。すると治療の目標はいかにそれらが平和的に共存していくかについてのグループプロセスの様相を呈することもある。」
2段階
異なる人格間のめまぐるしい入れ替わりや、子供の人格、攻撃性を持った人格の活動が落ち着いた時点で、治療の第2段階に入る。という書き方がいいだろう。主人格、すなわち主として生活を営む人格が定着し、主人格との治療関係性が深まる。それとともに主人格が幅広い感情を体験できるようになり、過去のトラウマについての取り扱いも、人格交代を起こすことなく行うことが出来るようになる。(ただし主人格を選定し、治療関係を結ぶことにはときには困難が伴う。23の人格の共存や競合が避けられない場合が少なくないからである。すると治療の目標はいかにそれらが平和的に共存していくかについてのグループプロセスの様相を呈することもある。)

このように書いていくと、第二段階のタイトルである「直面化、徹底操作、トラウマ記憶の取り入れ」というのも書き直さなくてはならなくなる。だって、直面化、徹底捜査、というのとも違うのだ。これらは言うまでもなく精神分析的な概念であるが、ここでこれらの概念がタイトルとして選ばれる意味が分からない。解離の臨床に携わっている人々は基本的には精神分析家たちの、少なくともコアメンバーには属さない。その分だけ実はこれらのタームも恣意的に用いられているのかもしれない。あまり適当な言葉が見つからないが、一応「主要な人格との関係性を深め、解離以外の適応手段を獲得すること」としておく。