2013年8月1日木曜日

日本におけるセクシュアリティのあり方 (4)

 やはりお国柄の違い、ということか。日本で同じことが起きたなら、周囲の学生は見てみぬふりをして、あるいはにやにやして、そのうちだれかがそっと「それはあまりに目立つんじゃないの?」と声をかけるのではないか。あるいは教師が個室に呼んで、静かに叱責するとか。つまりミニの学生への扱い方もまた人目につかず、隠微な、目立たない形で行われるだろう。

日本におけるセクシュアリティと誘惑について-上野千鶴子氏の見解

ここら辺で個人的な見解は省略して、上野千鶴子先生に登場してもらおう。
「日本のビニ本文化は、性器を露出してはならないという世界にも稀有な倫理コードのおかげで、爛熟した洗練と発達をとげましたけれども、どうやらそれは法律の抑圧のせいだけではないのではないか、と思えてきます。性器・性交を見せない日本のソフト・ポルノの猥褻さとは、ハードコアになれた西欧人も驚く「国際水準」ものです。その「表現力」を思うと、どうやら作り手はパンティを脱がせたくなかったのではないか-・・・パンティでおおわれたボディのほうが、むき出しのボディよりずっと卑猥だ、ということを知っていたのではないかとさえ思います。・・・」
上野千鶴子「スカートの下の劇場」河出書房新社 1989年より。

(以下略)