2013年7月29日月曜日

日本におけるセクシュアリティのあり方 (1)

2003年の日本語臨床研究会で発表したまま文章化していないものがある。それが「見る名の禁止とセクシュアリティー」という発表である。当日はちょっとだけウケたのを記憶している。ここでちょっとまとめてみよう。
まず抄録としてはこんなものを出した。 
「見るなの禁止」とセクシュアリティ
 「本発表では、北山修の「見るなの禁止」の概念をセクシュアリティの観点から論じる。なぜ多くの日本の民話において「見てはいけない」という禁止が課せられては破られるというテーマが繰り返し登場するのだろうか?おそらく「見るなの禁止」という概念は、この問いに対する直接の答えを提供するというよりは、むしろそれぞれの論者から数多くの答えを引き出すことを最大の目的としているのだろう。私はこの概念は様々な悲劇や罪悪感以外にも、私たちの願望やファンタジーの問題を豊富に含んでいるものと考えている。セクシュアリティはそれを典型的に表しているといえる。

(以下略)