アラン・ショアの教えるところは、おそらくこのSSは愛着トラウマに関係しているということだ。(ほかにも説明の手段はあるだろうが、これが今のところ一番説得力がある。)自分の激しい情動を最初は母親の右脳により、後には自分の右脳により制御することが出来るようになることが出来なかった人(愛着トラウマを負った人)がこのSSに陥る傾向を有するのであろう。そしてそれはBPD傾向として残り、ある人は情緒障害となり、ある人は解離症状として残る。ここで解離はSSを一時的に閉じ込めておくための箱であると考えるといい。そしてとりあえずその時は箱に収めることが出来たという意味ではこれは適応的であろう。しかし顕著な形で箱を有する人はそこにSSを内臓しているだろう。しかし箱があるから自傷傾向を有するということにはならない。箱に入っているSSが問題なのだ。
解離は当人の自殺傾向を冷凍保存している。一種のクーラーボックスと考えればいい。そしてそれを持っている人は自殺傾向が高いということにはなっても、その存在は自殺傾向を引き起こしてはいない。
別の比喩。解離を有する人は心に隔離室や保護室を持っている人にたとえられるだろう。その場合保護室は自殺傾向を促進していることにはならない。
このように考えるといよいよ、解離は自殺企図の原因になっているという考え方が誤っているかがよくわかる。アルコール中毒は自殺企図を引き起こすというのは分かるが、解離は自殺企図を引き起こす、というロジックは決して正しくないのである。