2025年2月10日月曜日

ビリーミリガンを超えて 8

 ビリー・ミリガンのドキュメンタリーを見るためにNetflixのサブスク を購入した。当時を振り返る形でその時の治療者や捜査にかかわった人々のインタビューで構成されている2021年のドキュメンタリー「ビリーミリガン:24の人格を持つ男(Monsters inside: the 24 faces of Bllly Milligan)」を視聴するためである。1時間に満たない動画で、あまり新しい事実は拾えないかと思ったが、いくつかの興味深い事実が分かった。 たとえば心理学者が彼のロールシャッハを取ったら全くバラバラで解釈が不能だったこと。知能検査では境界性知能から高いIQまで、測定するたびごとにばらばらだったこと。また脳波でも人格の間で脳の成熟度に差が大きかったことなどである。当時の精神医学や心理学の世界ではかなりのセンセーションを巻き起こしたという印象を持った。しかしその中で特に気になるのが中で登場する Cornelia Wilbur 医師である。彼女は例の「シビル」の治療者として呼ばれたわけであるが、「シビル」が「やらせ」だったということになっていることはすでに述べた。 この頃は解離性障害の専門家、という人はあまり知られていず、「多重人格のケースを治療したことがある」ということだけで彼女が呼ばれたわけであるが、そのWilbur 先生がシビルの「治療者」であったということがどうしても気にかかる。ということで今度は Sybil Exposed を取り寄せて読むことにした。