今回ずいぶん書き換えた
解離性障害 | 統合失調症 | |
幻聴の内容 | 罵倒や非難といったネガティブな内容だったり、命令、教示、励ましや勇気づけ、赤ん坊の泣き声、動物の鳴き声など、様々なものを含む。内容は比較的明瞭で、男性の声か否か、年齢はどのくらいかを識別できることが多い。 | 主として自分に関する非難や噂話などのネガティブな内容であり、時にはある行動を指示ないし命令の形をとるが、あいまいないし不明瞭で患者はそれを言葉で繰り返すことが難しいことが多い。 |
幻聴の主がどの程度特定か | 患者は声の主を「小さいころから聞いているあの人の声だ」などと特定出来ることが多い。DIDの場合には特定の交代人格である場合が多い。フラッシュバックにおいては、かつての加害者の声である可能性がある。 | 多くの場合、特定不可能であり、神や悪魔などの「超越的」な存在の声として感じられることが多い。 |
どの程度声に影響されやすいか? | 声に驚いたり、おびえたり、場合によっては励まされるなど様々な影響を受ける可能性がある。しかしあくまでも声の主は自分とは異なる主体の声としてとらえられる。(ただし交代人格の声である場合は、時には自分がその声の主にスイッチし、「本人の声」になることもある。) | 幻聴の内容はしばしば、自分自身の意志や考えと区別がつかない。幻聴の内容がそのまま妄想内容となることも多い。(たとえば「あいつがお前を狙っている」という幻聴を聞くと、それがそのまま確信となる、など。) |
面接者との対話 | 患者は幻聴の主との対話が可能である場合が多い。また面接者は患者の仲介により幻聴の主との意思疎通ができることがある。 | 通常は考えられない。 |
関係念慮としての性質 | 自分に話しかけている場合を除いては、通常は他人事である。 | 通常は伴う。内容が聞き取れなくても、自分についての噂だ、などと直感的に感じ取られることが多い。幻聴の主は時には時空を超え、テレビやインターネットを介して自分に語りかけていると感じることもある。 |
現実の体験との関連 | 現実の他者の声とは異なる性質のものであることを直感的に理解し、識別している。 | 現実の他者の声との識別や、自分の考えとの区別も難しいことが多い。 |
いつから体験されるか ? | 幼少時から「想像上の友」などの形で聞こえていることが多く、しばしば鑑別上重要な手掛かりとなる。 | 思春期ないし青年期の発症時に先だつ数ヶ月程度前から聞こえ出すことが多い。 |
他の体験との関係 | ほかの解離性の知覚異常や身体症状を伴うことが多い。 | 幻視や身体症状を伴うことは少ない。 |
精神科の薬がどの程度有効か? | 一般的に幻聴そのものにはあまり効果がないが、一応試みる価値はある。 | 比較的効果がある。(場合によっては劇的に奏功する。) |