ちなみに、DSM-5のワークグループは全体で13に分かれ、その中で神経症圏については、「不安、強迫関連、PTSD、解離性障害」のタスクフォースが担当し、それが不安、強迫関連、PTSDと解離、という3つのサブグループに分かれたという。そしてそこで、「ストレッサーとトラウマ関連障害」というのを設けようという話が出た。そしてそこには適応障害、ASD,PTSD,解離性障害が含まれるというアイデアであったという。しかしその後解離性障害を含みこむことへの議論が生じ、結局は解離性障害は独立させ、しかしトラウマ関連障害のすぐ後ろにおくということになったという。同様の扱いは、スキゾフレニア、気分障害、不安障害、身体症状障害に対しても行なわれた。このら辺の扱いはICD-10の扱いと同じなのである。ICDでもストレス関連障害というカテゴリーがあり、そのあとに解離性障害が付いてくる。ということはこれまでのICDがDSMに追随するという形から、両者が歩み寄る、という形に変わってきていると考えるべきであろう。
さて過去数年間の間に、解離性障害のスケールとして3つ重要なものが発表されている。
①The Multiscale Dissociation Inventory
(Briere, 2002) (http://www.johnbriere.com/
multiscale.htmから入手可能).
②The Multidimensional Inventory of
Dissociation (Dell, 2006)これはセルフレポート方式のスケールとしては唯一の妥当性尺度を備えたものであるという。(http://www.isst-d.org/により入手可能)
③The Dissociative Experiences Scale–Revised
(Dalenberg & Carlson, 2010) おなじみのDESの改訂版で、パーセンテージではなく、決して~少なくとも週に一度、というスケールを用いたものであるという。もう一つは、真性の解離性障害と、解離性障害の偽装feigningとを区別する研究が進んだことである。一説によれば、DIDという信頼に足る診断を受けた患者の約三分の一は、法医学ではバイブルとされているSIRSという構造化されたインタビューでは偽装と判断されているという。 第3には、ISSTDによるDIDの治療ガイドラインの第3版の発行である。
さらには解離性障害やDIDに関する著書も目白押しであるという。
これを書いていて、私は落ち込んでいく。世の中がどんどんすごい勢いで進んでいき、自分はその流れについて行っていないという感じだ。