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2010年10月28日木曜日

チビの後ずさり (2)

チビの後ずさり(1)を以前書いたのは、・・・・・・忘れた。いつかそんなテーマで書いたような気がするので、それを(1)とする。実は13歳のチビは今年の4月頃からおもらしを始め、苦労していた。水をカプ、カプ、カプ、と飲みながら、後ろからジャー、と出したりする。昼寝をしていたチビが立ち去ったあとがやたらと濡れていたりする。まさか・・・ということになった。そこでチビはすっかりおむつのお世話になっていた。ちなみに皆さんは、犬用のおむつと人用のそれの違いをご存知か?真ん中にしっぽ用の穴が開いているのである。(ということは、実はサイズさえ合えば、犬用のおむつは人用のおむつからつくることが出来る。逆は無理だが。)ということでチビは結局おむつのお世話になったのだが、いきなりなので不思議がっていた。世田谷の獣医にかかり、腎臓の異常値を指摘されたり(結局元に戻った)、尿路感染を疑われたりしたが結局分からず。すこし回復して、おむつが取れだしたのが8月。ところがふとしたことから9月にまた3週間失禁が続き・・・・なんとまた良くなっている。あのチビの情けないオムツ姿(神さんはそれを「かわいい」という)を見なくなっているが、最近神さんに言わせれば、原因がわかった、というのである。私も認めるしかない。というのもチビは、生まれてからずっとそばにいた息子が関西に行ってしまったことに反応していたらしいのだ。そしてそれを忘れた頃に息子は初めての大学の夏休みということで家に戻ってきたのだが、また行ってしまったのが9月である。タイミングとしてはあっている。何しろ我が一家の帰国する際の2004年に、一時的に私と「二人」で気まずい3ヶ月の生活をしていた時期があったが(神さんと息子が先に帰国して、私は一年遅れた。チビは彼らが家を見つけて安定する間、アメリカで私が勝っていて、それから航空便(特殊な)で日本に送ったのだ。)チビは、激やせしたくらいだ。私との生活に終始怯え、3ヶ月が終わる頃はアバラが目立つようになり、頬は痩せこけ、なんと顔色まで青白くなったのだ。気のせいか?
ということでたくさん買い置きしているおむつは当分は無駄になりそうである。それにしても犬の「身体化症状」は面白いが、実はそれで思い出すのは、1997年から2年余りの、つまり生まれてから2年ほどの間のチビの様子である。なんと彼女は「嬉チビり」(ウレチビリ)の常習犯だったのだ。つまり嬉しかったり驚いたりするとそのままダーッと後ろから・・・・。そう、彼女は膀胱括約筋がもともとゆるいのだった。それが老化もあり不安や気がかりな状態に反応して機能不全になるということらしい。ということはこれから老化が進むと結局、チビはおチビリを始めるということなのだろう。一生おもらしに苦しめられるのだ。そういえばチビのこの名前も、それを運命付けていたのか?

2010年6月7日月曜日

PESとバランスシートという考え方(チビの後ずさり)

週末は精神分析学会の運営委員会三昧。いろいろ考えることがあった。なにか「●床心●士」の資格が「心●士」になる可能性が高まっているとか。その動きの中心にある先生方の話だから、そうなのだろう。一体どうなってしまうのだろう?学生は一生懸命勉強しているのだが・・・・。
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ところでBPDと医原性の問題は、このブログに頼ることはやめて、「あとは自分でやる」ことにした。今日は私のこだわりのテーマに戻る。PES(快感査定システム)である。これと「解離」のテーマを交互にやらせていただく。
PESについては実は懸案がある。それは27年前に書いた原稿に戻ることだ。1983年の秋に書き始めた原稿を、土居健郎先生に見せて、「スルー」されてしまった。しかしこのテーマについて資料もないままに一生懸命に考えていたのもこの時期である。手描きでかなりなお下読みにくい原稿の縮刷コピーを、この27年間持っているが、とても開いて読む気になれない。
しかしそのPESについての考えを、最近になって文字にすることがあった。「忘れる技術」(創元社、2006)である。もともと注文を受けて書き下ろした本で、私の他の本と同じように売れなかったが、そこに「心のバランスシート」というアイデアを出した。「心の側から見た、忘れられないわけ」という章においてである。
「これは私たちの頭の中に備わっている認知プロセスを図式化したもので、人が何事かを忘れられ無くなっている状態の、少なくとも問題の一部を説明することができるのです。私たちの損得勘定は、心のバランスシートによって、常に自動的に計算されているのです。」
として、例えばAさんに対する心のバランスシートを考えた。借方の欄には、Aさんに与えた危害や、Aさんから受けた恩恵が入る。貸方の方には、Aさんから被った被害、Aさんに与えている恩恵が入る。これが計算されて、「Aさんに対する気持ち」のあり方を決定する。つまりAさんに対する恨み、後ろめたさ、仕返しをしたい気分などは貸借対照表のバランスと考えることができよう。
おそらくこの起源は、動物としての私達の来歴にある。自分に害を及ぼしてきた相手を自動的に察知して避ける、という傾向である。これが適切にできる個体はそれだけ生存の確率が高くなる。そうか,我が家の犬チビが私の視線を避け、近づくと後ずさりするのには、それなりの理由があったのだ。