2026年9月21日月曜日

成田先生のこと 0

成田先生の追悼記念号に寄稿のお誘いがあったことは誠に光栄である。私は先生と師弟関係になったわけではなく、SVをお願いしたこともない。年に一度学会でお姿をお見掛けするだけであった。私は先生の著作のファンであったが、先生の本を隅から隅まで読んだわけでもない。しかし私の中での先生の位置は特別なものであった。それはどのような意味でであろう_

これを考えると、かつて先生が古沢賞をお受けになった時の記念講演のことが蘇る。私はその時の受賞講演の司会の役をいただき、 最初に 先生を簡単にご紹介したのである。その時私は最後に「成田先生は精神分析学会の良心です」と付け加えたのだ。これはその時最前列にいらした某先生が「面白いこと言うなあ」と苦笑なさったことも含めて明確におぼえている。そして今振り返っても、成田先生はやはり「分析学会の良心」であったと思うのだ。この文章は私がそれで意味するところをできるだけ簡潔にお伝えしたいと思う。