2026年8月30日日曜日

AIと精神療法 3 

  さて現在のAIがチューリングテストに合格したと言えるのであろうか? おそらくそう言って間違いではないだろう。ただし私自身AIとのやり取りで不自然さを感じないわけではない。それらは、まず長い情報を送ってもほぼ一瞬でそれを「理解」し、的確な返事を送ってくることであり、またその内容に誤字や脱字が見られないということだ。人間とのやり取りでは必ずと言っていい程付きまとう、時間の問題や錯誤の問題はAIでは原理的にあり得ないという印象すら持つ。しかしおそらく、AIへのプロンプトに、「もっとじっくり時間をかけてから応答して欲しい」、「一定の確率で誤字、誤変換を混ぜて欲しい」等を追加することで、AIの振る舞いはかなり自然さを獲得し(と言ってもAIにとっては不自然なことではあろうが)より普通の人間とのやり取りとの間に差を感じなくなるであろう。  ちなみに2024年、生成AIがチューリングテストを突破したというニュースが話題になったという。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者たちが500人の被験者に対してチューリングテストを実施した結果、OpenAI社のGPT-4が54%の確率で人間と誤認される結果を出したという(Jones & Bergen, 2024)。  これらの意味でAIはチューリングが言うところの「知性 intelligence」を有するといえるだろう。そしてそれは【心】と同等のものと考えられる。

Jones, C.R., Rathi, I., Taylor, S., & Bergen, B.K. (2024). People cannot distinguish GPT-4 from a human in a Turing test. Proceedings of the 2025 ACM Conference on Fairness, Accountability, and Transparency.