2026年7月5日日曜日

解離とリスク 4

報告者の仮説的な見解
ここで私の仮説的な見解を述べておこう。 解離という現象は、イマジナリーコンパニオンや体外離脱体験等が一般人にも広くみられることから、多くの人間にデフォルトとして備わっている機能である可能性がある。
最初の危機状況での解離は Putnam の言う「生き延びるための価値」としての防衛機制が発揮されたものと考えられるであろう。つまり解離は「保護因子」として働いている可能性がある。
DIDにおいては過去の被虐体験を担う人格による自殺企図が繰り返される可能性が高いが、それを抑制する人格も多く存在するであろう。
DIDにおいて自殺企図が必ずしも既遂自殺に至らないのは、自殺の瞬間の人格間の抑制の結果ではないだろうか? ここで私が最近投稿した論文の要旨を示したい。

解離現象はトラウマに反応して生じる防御反応であるだけではなく、それ自身が生存の価値を持った創造的なプロセスであると考えられる。それはイマジナリーコンパニオンに見られる内的な人格の創成と、体外離脱を祖型とするスイッチングに特徴づけられ、その説明の図式としてポリヴェーガル理論を用いることができるであろう。
(精神科〇〇学 2026年 第41巻 増刊号)

症例A

「昨日マンションから飛び降りようとしたが、死んでたまるか、という自分が抑えていた。

<以下略>