前回は臨界状況について述べた。それはそこで相転移が起こりかけている状況だと言った。だからこそエキサイティングで不安を誘い、事件性を秘めている。そしてその臨界状況を超えることは時には breakthrough になり、ときにはトラウマティックである。
ところで「臨界」と聞いてまず想像するのは、例の原発ではないか。ちょっとググってみると、最近ではAIの模範的な回答が出てくる。
「臨界(Criticality)とは、原子力発電において、核分裂の連鎖反応が一定の割合で自発的に持続している状態のことです。この状態を原子炉内で制御棒などを用いて安全にコントロールし、エネルギーを取り出すのが原子力発電の仕組みです。一方、制御不能な状態で臨界に達すると、大量の放射線や熱が発生する「臨界事故」となります。」
私は少し前までは、臨界事故=核爆発だと勘違いしていた。さすがに臨界事故ではそこまで行かないが、メルトダウンがその結果であり、チェルノブイリ事故や福島の原発事故のようになる。(しかし臨界を超えた最大の事故といえば、メルトダウンどころではない、まさに核爆発であり、それを実は人為的に引き起こすのが核兵器という事になるだろう)。
というところでここからは(多少強引だが)boundary violation 境界侵犯の話になる。これがわれらがG.ギャバ―ドさんが若い時から扱っていたテーマの一つである。