2019年11月10日日曜日

コラムは揺らいでいる 2


神経ダーウィニズムという名のゆらぎ理論

大脳皮質はこのような敷石から構成されるのか。
カルヴィンの説を参照しよう。彼は上記のコラムを、六角形のタイルのように喩える。確かに上述のようなコラムがびっしりと大脳皮質を覆っているとしたら、それはあたかも下の写真に見るような、六角形の敷石のように見えるだろう。ただし実際にはかなり縦長の六角円柱の形を取るはずだが。
 
 そして大脳皮質での神経の活動は、ちょうどこの六角形のタイルが勢力争いをするようなものだと考える。というのもこのタイル内はある一定の情報を扱う、一種の素子と考えることが出来るからであるという。これは神経の活動を個々の神経細胞の活動と捉えるよりはずっと効率的である。それぞれの神経細胞は幾つかのまとまった集団として行動をすることが多い。その単位がコラムであり、それは神経細胞が1万個ほどにより構成されている。これらがいわば
グループとして活動するのだ。ちょうど地震を考える時に、それを個々の砂粒の相互作用と考えるよりは礫、小石の間の相互作用
柱状節理:むしろこちらか?
と考えた方がより現実的であるのと同じである。何しろ岩盤を構築している最小の単位は砂であるとしても、それらはさらさらと個別に動くのではなく、いくつかが固まった小石の様な単位で動くであろうからだ。
(地殻がサラサラな砂で構成されているとしたら、それはむしろ流体としての性質を帯びるであろうし、すると地震など起きないであろう。むしろ砂による津波のようなものかもしれない。それはちょうど太平洋に蓄えられた水分子の巨大な集合が、いくつかに分かれてお互いにズレたり割れたりしないのと同じなのだ。)
さてカルヴィン先生のいう、大脳皮質でのこのタイルの勢力争いの話である。このことをもう少しわかりやすく表現しよう。脳の活動は刻一刻と変化する。そしてその時々で、「わかった!」とか「ヤバい!」とかの大きな体験をすることがある。その時、大脳皮質ではたくさんのタイルが参加した巨大な結晶構造が作られると考える。いわばその全体が同期している状態なのだ。