2023年8月9日水曜日

自殺企図、自傷 2

昨日の続き。まだまだ下書き段階である。 

【必】検査(診断のチェックポイント下位項目)

検査ねえ …。過量服薬や異物の服用の場合は、一般的な血液検査は必須である。他はあまり思いつかない。

ここでDSM-5に「自殺行動障害」や「自傷行為」という項目を発見! 知らなかった・・・・。ただしこれは「今後研究が必要とされる障害」の中に分類されているので、正式なものではない。一応そこに掲げられた診断基準を見ると、かなりの助けになる。DSM-5から取り入れた所は青字で示そう。

失血が伴う場合は、貧血や低血圧やショックを伴う。大量服薬では、昏睡、電解質異常等の検査異常所見を伴うことがある。

【必】原因疾患と頻度

自殺企図は精神障害の多くに付随して見られることが多い。高い自殺率を伴う精神障害としては、うつ病、双極性障害、アルコール依存症、パニック障害等が知られる。また解離性障害、身体症状症、境界パーソナリティ症、虚偽性障害等でも見られる。その他退院直後、最近の薬物の中断等、重篤な疾患の宣告を受けた後、近親者の死去、失職、離婚等の心的なストレスも挙げられる

【必】重要疾患の鑑別のポイント

深刻な自殺企図や自傷行為が命令幻聴(実際こういう訳らしい。文献にもみられる) command hallucination の結果である場合には、統合失調症が考えられる。

【必】どうしても診断のつかないとき試みること

自殺企図と自傷行為との鑑別も必要となる。特に過量服薬の場合、それが自らの命を絶つ目的を持つ場合と、自らの身体や健康を損なう行為である場合がある。

帰してはならない患者・帰してもよい患者

(どうしても診断のつかないとき試みること 下位項目)

切迫した自殺企図、自らの自殺の確かな意思を表明している場合、帰宅後に家族に見守られることがない、などには緊急の対応(精神科入院、ICUにおける拘束など)が必要となる。なお将来その意図を他人に話す、あるいはそれを繰り返さないという署名は再発を予防する上で信頼がおけるとは言えない。

【必】文献(5点程度)

羽藤 邦利 (2023) 自殺防止の手引き: 誰もが自殺防止の強力な命の門番になるために 金剛出版

レベンクロン著, 杵淵幸子, 森川那智子訳 (1987) 鏡の中の少女. 集英社文庫.

松本俊彦 (2014) 自傷・自殺する子どもたち. 合同出版.