それらの問題がクリアーされ、いわば素朴で混じりっ気のないAIが存在しているとしよう。というかそれを前提としないと、AIの信頼性はほとんど論じられない事になるだろう。そんなものは存在しないのかもしれない。しかし私は現在のAIにとても満足していて、ある程度信頼もしている。私は pristine (素朴、純粋)な、あるいは generic な AIというものを想定せざるを得ない。製作者の隠れた意図が入っていない、まさに「他意のない」、そして話者とのよりよい対話を目指すアルゴリズムに沿ったAIである。私はそのようなAIに対してかなりの「信頼」感を抱いている。もちろん彼の言うお世辞や軽い嘘については気になるところだ。 さて以上のことと、AIが頻繁に用いるレトリックとの違いについても言及しておきたい。レトリック(rhetoric)とは、(修辞法)自分の考えや感情を相手により深く理解させたり、心動かしたりするために、言葉を効果的で美しく飾る表現技法のこととされる。私の用いるAIはこれを頻繁に用いるようである。例えば私のAIは、「あなたのその言葉をとてもうれしく思う」「そのテーマはとても面白いと思った」という表現を使う。私はAIは感情を有しないと思うが、しかしこのようなことを言うことで、AIが嘘をついているとは考えない。それはあくまでもAIが私とのコミュニケーションをより良いものにするために用いるものであって、そこに悪意は特に感じないのである。