週一回 精神分析的サイコセラピー 高野晶、山崎孝明編 遠見書房 2024年 書評
もう一つの依頼による書評。この書評を書くことは少し憂鬱であった。というのも「週1回サイコセラピー」という概念が私にはピンと来ないからである。本来「週1」には「精神分析のように週4回じゃなくてごめんなさい」「でも週一にもそれだけ見どころがありますよ。」という言葉は悪いが「卑屈さ」の雰囲気があると感じていたからである。私にすれば「週1は当たり前ですよ」「週1だけでも立派じゃないですか。」「2週に1度30分の人もいますよ」である。何も卑屈になる理由はない。ところが「週1」にはやはり精神分析という超自我が影響を及ぼしているのである。どこかに「週4の精神分析が理想である」という考えがあるのだ。
私が書いている事は極論でも何でもない。考えてもみよう。週1だけでも一回8000円~12000円かかるのだ。月にして5万円。それをサイコセラピーにつぎ込むことができるクライエントがどれほど存在するだろう。週1だけでも十分濃厚だと言えないだろうか。