2018年9月20日木曜日

ある対談 3


A先生:その場合、ひとつの指標というのが、交代人格のエネルギーなんです。彼()が出ているときに眠くなって、もういい、みたいになっていくんですよね。そうすると、これがひとつのサインかなというふうに思います。そのような時は自然に、「あぁ、眠たいんだね、じゃあ、寝ていいよ」 というふうな感じで。でも、眠たくなる前には、何かを達成したいと思っている可能性もあります。何かに満足したい。そしてどうしたら満足できるか、ということは、人格によって違うと思います。自分がかつて見たこと、聞いたことを話したいのかもしれないし、自分が買ってもらえなかったリカちゃん人形を買って、遊んでもらってから眠る、ということかもしれません。人生で何を思い残しているのかを、それぞれの人格に聞いていくことが必要なんだろうなっていうふうに思いました。

B先生:あの、ある面白いエピソードがあって、それを話してみます。すごい難しいDIDの方を外来で診ていたんですけれど、来るたびに、話を始めるとピュ-って帰っちゃう方がいらしたんです。(やむを得ず中略)

A先生精神分析の場合には、たとえば、子どもの人格が出てきたら、「それは、あなたが抑圧していたものを今、表しているんでしょ、あなたが。」というふうになってしまいます。分析家たちは「あなたはひとり、唯一の存在です」という前提に立っています。ブロイアーとフロイトが「ヒステリー研究」を書いたときに、ブロイアーが「いや、ふたつの心があってもいいじゃないか」というふうに考えたときに、フロイトは絶対それはだめだと考えて、そのことは考えないようにして理論を作り上げて、今の精神分析があります。フロイトはリビドー論だったから、心の中で見たくないものはぎゅっと力をこめて無意識に押しやる、そこでもってもう一つの意識が生まれる。でもそれは、ひとつの心の中の下の部分、無意識だという図式をずっと変えなかったので、今まで来ています。