フロー体験 ⑦
昨日からフロー体験の脳における基盤について書いている。
日本にも研究があったぞ。(Yoshida K, Sawamura D, Inagaki Y, Ogawa K, Ikoma K, Sakai S.(2014)Brain activity
during the flow experience: a funtional near-infrared spectroscopy study.
Neurosci Lett. 2014 Jun 24;573:30-4.)にほんの研究者もすごいじゃん。それによると、フローはかなりの部分が前頭前野の働きを反映したものだという。たとえば注意とか、情動とか、報酬の処理reward processingだとか。しかしフロー体験の際の前頭前野を研究したものがないという。そこでこの研究では光トポグラフィを使うことにしたという。日本のお家芸、光トポ。そこで28人の大学生に、ゲームをしてもらい、フロー体験と退屈な体験をしてもらった。昨日の、「フロー体験=簡単すぎず、大変過ぎないタスクの遂行時の体験」という議論に従うわけだ。すると・・・・ その結果フローの際は、左右の腹側外側前頭前野の活動が増すが、退屈なタスクでは減少した。それとなんと言っても左右のDLPFCの活動の増加。ともかくも前頭前野の活動が増す、という仮説は実証された。フロー体験では、「脳の社長さん」としての前頭前野は活発になっているのである。一応後からチェックする際のために、原文も書いておこう。(oxy-Hb concentration was significantly increased in the right
and left ventrolateral prefrontal cortex. Oxy-Hb concentration tended to
decrease in the boredom condition. There was a significant increase in oxy-Hb
concentration in the right and left dorsolateral prefrontal cortex, right and
left frontal pole areas, and left ventrolateral PFC)