① 情報処理をするシステム
脳は確かに情報を統合するシステムと見なすことができる。脳は、ある情報を与えられて、それを全体として判断し、イエス、かノーかを出力するシステムといえる。なぜこう言い切れるかといえば、私たちが通常心を持っていると想定するもの、すなわち動物は突き詰めればこれを行っているからだ。まずある種の知覚情報を入力することができる。そして判断を下すことができる。その判断とは受け入れる(取り込む)か、拒絶する(回避する、逃避する)かという判断である。受け入れるとは、それに接近し、捕食し、あるいはそれにより庇護されることである。拒絶するとは、逆に攻撃されたり捕食されたりするのを回避することだ。生物にはもう一つ生殖という働きがあり、あたかも自分が生存を遂げることが、最終目的であるかのようにふるまう。

さて以上のことを私は精神科医としての常識の範囲から知っている。ちょっと図に描くと
知覚野 → 視床 ⇆ 連合野
↓ ⇅
扁桃核 → 行動
ここで起きていることを再び繰り返すと、心とは情報を統合して全体的に判断して、イエス、ノーを決めるシステムということになり、それは具体的には視床、知覚野、連合野、扁桃核などが司っていることになる。