2013年5月22日水曜日

精神療法から見た森田療法 (16)



 ところでこの話は、橋下さんをテレビで目にした時の感想から脱線しているのであるが、一応はなしを「とらわれからあるがままに」へと戻そうと思う。
そのためにメモを取り出す。
5つのガイドライン:1.「感情の自覚と受容を促す」2.「生の欲望を発見し賦活する」3.「悪循環を明確にする」4.「建設的な行動を指導する」5.「行動や生活のパターンを見直す」
4つのスキル: 1.共感と普遍化、2.メタファーとリフレーミング、3.症状の脱焦点化、4.日記療法である。
「死に対する恐怖」にさいなまれている人を考える。森田正馬その人がこれに病んでいたというのでいい例であろう。そのために「感情の受容」すなわち自分は死を恐れているという事実を受け入れる。そしてその背後にある生の欲動を賦活する。すなわち「私が死を恐れるのは、それだけ生きたいという願望があるからだ」と言い聞かせる。さらにそこに存在する悪循環を明確にする。すなわち「死の恐怖から逃れようとあがけばあがくほど、その恐怖にとらわれてしまう」という状況を理解する。その上でそのような恐れは実は人間が皆持っているということをしり、その上で「死の恐怖」から視点を逸らす。このようなプロセスを患者と繰り返し行うのが森田療法というわけである。そしてそれがあるがままの境地へと至ることになる・・・・・・。
別に私がそれに反対というわけではないのだ。ただしなにしろ森田療法に対して門外漢ということもあり、やはり消化しきれていない。私としてはむしろもう少し具体的な修練をここに加味したい。それは自分の死ということをとことん見つめ、考えるという方針だ。森田の5つのガイドラインのうちの1.「感情の自覚と受容を促す」一本でまず行きたい気がする。その例がいわゆる「終活」。お聞きになった方も多いだろう。
ウィキペディアにも申し訳程度の解説がすでに立っている。
終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人間人生の最期を迎えるにあたって行うべきことを総括したことを意味する言葉。主な事柄としては生前のうちに自身のための葬儀などの準備や、残された者が自身の財産相続を円滑に進められるための計画を立てておくことが挙げられる。これは週刊誌『週刊朝日』から生み出された言葉とされており、2009(平成21年)に終活に関する連載が行われた時期以降から「終活本」などと呼ばれるこれに関する書籍が幾つも出版されるなどといった風潮と共に、世間へこの言葉が広まってきており、2010年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。また、これをサポートする社団法人も存在する。 以上ウィキペディアから引用。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%82%E6%B4%BB
あるいは「生前葬」という手もあるかもしれない。