2011年5月16日月曜日

やっぱり男はどうしようもない

日本の報道ではあまり扱われていないが、ニューヨークタイムス等では一面トップの記事で扱われたのが、国際通貨基金会長ドミニック・ストロースカーン氏のスキャンダル。来年のフランスの大統領選でサルコジ氏にとって代わる候補とされていた有力者だが、ニューヨークで女性に対する強要で逮捕されてしまった。これに呼応していたのが、スケールはいささか小さいが、ロック界の大御所内田裕也氏のスキャンダル。二人ともこれまで築いた業績や名声を一夜にして失ったばかりでなく、周囲に多大な迷惑や混乱を招いた。彼らの社会的生命のメルトダウンと言ったら大げさか?これらを目にして思うこと。やはり男はどうしようもない。しかし同じ男としてこれは同情が混じっている。
私が「男はどうしようもない」という時、「彼らがどうして身辺をきれいにし、思慮深いふるまいをしなかったか、アーどうしようもない」と言っているわけではないのだ。男性がある意味で本能に振り回されて常軌を逸してしまう部分をギリギリの線でコントロールして社会生活を送らざるを得ないという性(サガ)に対する憐れみも含めてこう言っているのである。政治の世界で、芸術の世界で力を発揮する人間が、下半身の問題でスキャンダルを起こすということはあまりに多く、政治、芸術、スポーツなどの世界における実力と性的な問題とは別物と切り離して考えるしかないように思う。米国にいた時散々聞かされたクリントン大統領(当時)のスキャンダルのことを思い出しても同様の感想を持つ。その種のスキャンダルはなかった代わりにどんでもない問題(イラク戦争のこと)を起こしたブッシュ大統領と比べると、クリントン氏は、大統領としての職務を立派にこなしたと言ってもいいが、彼ほど最悪なスキャンダルにまみれた人間もいなかったのである。
ただしこんなことばかり書いていると、これらの男たちが女性たちに行ったふるまいを許容していのか、と言われかねない。もちろんそんなことはない。社会的な地位を得た人間は、自分を狂わすものは何か、自分にとって命取りになるものは何かを十分知っておかなくてはならないということだ。
唐突だが原発事故を思い起こさせる。現代は男性はこれまでの粗暴で勝手で、彼らにとっては野生に近いふるまいを慎まない限りは人生のメルトダウンを起こしてしまう。それを防ぐためには何重もの防護策が必要である。女性とは一切一対一では会わないとか。自分自身に監視カメラを付けてしまうとか。SSRIを服用するとか(副作用を利用する)、カミさんに常に付き添ってもらうとか・・・・。