2026年9月17日木曜日

私の治療方針 2

 私の治療方針・処方の組み立て方

解離症の治療はその正しい診断的な見極めとその患者への説明や情報提供に始まる。解離症状は極めて多彩なために他の身体疾患や精神疾患と誤診されやすく、またそれらの症状に併存して見え隠れしている可能性がある。注意深い身体疾患や脳神経学的な疾患の有無の検討の上に解離症の診断が得られた場合には、その症状の表れ方を理解し、それを患者やその家族に説明し、それが演技や作為によるものでないことを説明する。一般に解離症状そのものに有効な薬物がなく、解離性の陽性症状(幻聴、幻視など)が抗精神病薬の処方により改善することはあまり期待できない。しかしそれらの少量の使用は興奮や気分障害などの併存症の症状を抑える意味で有効であることが多い。鬱症状への気分安定薬や抗うつ剤も同様である。抗不安薬の使用は不安の解消に有効であるものの、場合によっては解離症状を悪化させる可能性もあるので注意を要する。