2026年1月31日土曜日

ショア書評 ⑤

 6章 アタッチメント、感情調整、発達途上の右脳 (ほぼ省略)

(288)母親の新生児に引き起こす陽性感情が重要である。「母親が申請時に対して引き起こす要請感情は、人間の行動の感情の風景の中で最も強力で進化的に保存されている陽性感情の一つかもしれない」。つまり母親は乳児の陰性感情を抑え、陽性感情を増幅するという意味での調整を行っているというわけだ。← 支持療法の直接的な根拠付けと言えるのではないだろうか?

7章 ゾウはどのようにドアを開けているか? (省略)

8章 アタッチメント外傷と発達途上の右脳

(315)ジャネの貢献についての記載あり。彼のいう精神レベルの低下は、統合能力の低下を意味する。またジャネは「心的エネルギーの欠乏が解離を生むといった」とも記載されている。これは要するに副交感神経過多のことであろう。そしてその根拠としては、激しい情動が情動覚醒を維持できず、体験は統合されずに無意識の固定観念(岡野:トラウマ記憶か?)として残る。

(316)VDK、VDHさんらの記載。

「激しい情動を体験すると、その恐怖体験を既存の認知スキームと一致させることが出来なくなり、その結果体験の記憶は個人の意識に統合されず、代わりに分離(解離)される。」

ここにはおそらく、極度の扁桃核の興奮が海馬を抑制するという例のメカニズムが働いているのであろう。

(320) 通常は誤調律は必要でそれに続く「双方向的修復」で乳児はストレスとなる陰性感情に対処できるようになる。(岡野:PEMの話と同じだ。現実により訂正されることで、それを受け入れられるようになっていく。受け入れることの幅がどんどん増えていく。歩けるようになるためには転ぶ必要があるということだ。)

(320) ここでどの程度陽性感情を維持でき、どれだけ陰性感情を早く修復できるかが重要である。

(323)ジャネの言う心的エネルギーの欠乏とは、副交感神経の活動過多のことだ。

(325)D型の愛着などは、交感、副交感の同時の活性化だと言う。親に向かって後ずさりするといった状態。
(328)そのようなときに、母親も恐怖―戦慄の表情を見せる。この指摘も重要。

(332)PTSDの過剰覚醒も、解離も、両方とも右脳の関与を伺わせるだという。

(334)解離においては右半球の前頭前野と辺縁系が中心となって反応している。


9章 BPDは右半球障害か?

BPDも概ね右脳の問題として説明することになるという。
(386)BPDの生まれる機序としては、右脳の高次制御の欠如と右の定時皮質の低次レベルでの攻撃的な状態の増大」である。

  (396) 右脳の成長は遺伝子にばかり依存はしない。「特に母親との環境のエピジェネティックな経験により永続的に形作られる」。つまり経験依存的なのだ。


第10章 ボウルビィの進化的適応環境

圧巻の章である。(403)ボウルビイの進化的適応環境(EEA) という概念が現在の右脳を中心とした発達といかに関連しているかを論じている。

(412) 定型発達では右半球のミラーニューロンシステム(島皮質を介して大脳辺縁系と相互作用する)を頼ることによって、模倣した情動の意味を直接感じ取って理解する」

ちなみにΦとは結局ミラーニューロンのことなのだろう(岡野)

(413) ポージスによれば、右脳の発達は副交感神経とも深いつながりがあるという。

(416) OFCの成熟は、生後一年目の最後の四半期から2年目の中頃にかけてが臨界期である。「この腹内側前頭葉辺縁系構造は、扁桃体、島皮質、および前帯状皮質の他の辺縁系領域と相互に接続されている。

(417) 母親の前帯状皮質は、産後に再組織化される!!!

(419) 2年目の遅れた父親の関与の重要性!!そしてそこで養育を多く行っている父親程テストステロンのレベルが低下しているという!!。