ここから北山先生の「『甘え』とその愛の上下関係」という論文を読む。この論文は北山修編(1999)「日本語臨床3「甘え」について考える 星和書店 に収録されている。(私も一章「甘えと『純粋な愛』という幻想」というタイトルでこの中で書かせてもらっている。
この論文の中で北山は甘えには上下関係があり、母親は上の立場から子供に与えるという形をとる。つまりそれは「横並び」ではないというのだ。
ちなみに私の感想をさしはさむと、確かに上下関係はあるよなあ、と思う。北山先生の言っていることとニュアンスがあっているかどうかわからないが、何しろ母親の愛なくしては甘えは成立しないのだから。子供は母親に生殺与奪の権を握られているのである。ということで次回からゆっくり読んでみる。