ここでやや本題からずれるが、上記のような行為が実際に犯罪として扱われるかどうかについては気になるところである。それについては弁護士ドットコムニュースにそれについての記載があった。少し長いが、私にとってはとても有益な情報なので引用する。https://www.bengo4.com/c_23/n_8410/
(過去にすでに記載したので中略)
(結局どちらも犯罪ではないとのことだ。)
女性に視線を送ること
ある女性の方が次のようなことを話しているのを聞いたことがある。「駅で電車を待っていると、中年の男性が私を頭からつま先までジロっと眺めました。とても不快でした。」
中年の男性がどのような目でじろっと眺めたかはわからないが、異性への好奇心に駆られた視線であるとその女性は感じたらしい。そしてその女性は過去にも痴漢などの性被害にあったことがあり、そのことを連想したのだ。
まずはその女性の気持ちや言い分はわかる。そのことで警察に被害届を出しても受理されないであろうが、ある種の迷惑をこうむった、侵害されたという感覚は確かなものだっただろう。そしてその中年の男性の視線の向け方は、その女性の過去のトラウマを思い起こさせるような性質を持っていたであろうことは十分想像に足る。
なぜそう言えるかといえば、その一つの重要な根拠としては、私はその中年の男性の行為(といってもじろっとその女性を眺めただけだが)を自分もしかねないであろうし、もっと言えば私自身がその中年の男性のように「ジロっと」みて相手に不快な思いをさせていた可能性がある。それに気が付かなかっただけだ。そう考えると私も自分の中の加害性やそれに対する後ろめたさを感じる。
もちろんこれに対して「見るだけなら構わないではないか」とか「(多くの)男性が女性に興味を持つことは自然なことではないか?」という人もいるだろう。しかしこの問題はそこで終わらせることのできない重要さを持つ。なぜなら視線は言葉かけ、行為、と徐々に発展する可能性がある。そしてそのグラデーションのかなり早い段階で「セクハラ行為」につながっていく可能性がある。
例えば先ほどの例でジロっと女性を眺めた中年男性が、「いいスタイルだなあ」と聞こえるような声でつぶやいたとする。先ほどのグラデーションの一歩先に進んだ形である。これはその男性に悪意がなくても、今の世の中ではほぼ間違いなくセクハラに当たるだろう。