2020年4月2日木曜日

揺らぎ 推敲 32 

何かこの世の終わりを思わせるような毎日。新幹線はガラガラ。観光業やお店の経営者のことを思うと食欲がなくなる。私がこのコロナ禍の現実を確かめるために何度も見ているサイトがこれ → https://www.bbc.com/japanese/51885591

サイトの中央に出てくる棒グラフの推移を何度も見る。日本もある日、イタリアやアメリカのように急激に患者が増えるのだろうか。


たとえば自然界のストレンジ・アトラクターの例として土星の輪があげられる。土星の周囲の輪は、大小さまざまな粒子からなり、それらがびっしりと土星の周りを周回しているのだ。その粒の大きさはミクロ以下の塵のレベルから直径数メートルまであるという。それらが土星の膨大な数の衛星となっているのだ。
ところで衛星は、単に土星からの引力を受けつつ周回運動を繰り返しているだけではない。離れた位置から太陽や地球や火星からも重力が加わっている。そしてそれらの相対的な位置は刻々と変化している。そのために衛星の軌道もまた徐々に変化し、ずれていくことになる。だからそれ全体がローレンツのアトラクターの様に構成されていることがわかる。
ところで土星の輪のうちところどころに櫛の歯の様に抜けている部分に気が付くだろう。特殊な力が加わることで特に大きくずれていった衛星たちが去った跡である。大部分の衛星たちはそのまま周回を続けているからこそ、輪の形は安定し、カッシーニ等の探索衛星により細かく記載されているのだ。しかしその輪の間の空隙には以前は衛星が周回運動をしていたことになる。それらが周囲の惑星との引力のバランスその他により少しずつ不安定になって行き、軌道のずれが大きくなり、ある時点でローレンツのアトラクターのようにピョンとその円周から外れて、おそらくは土星に雨として降り注いでいったものと考えられている。すると衛星の軌跡というのはまさにこのストレンジ・アトラクターそのものを表していると言っていい。