2010年5月20日木曜日

(承前)
私が興味深く思うのは、私にとっては夜食は、一種の権利のようなものになっているということだ。たとえば自分は夕食後に、200キロカロリー相当のスナックを食べる権利があるとする。カロリーメート2本分というわけだ。そしてこれは、それだけの量を「食べたい」というのと少しばかり違う。権利を行使する、そうしないともったいない、という感じだ。満腹でも食べるのだから、食欲を満たすのとは明らかに違う。
だからたまに旅行に出て、ホテルで食事をした後に、どこにも夜食を買いに出られないとなると、すごく損をした気がしたりする。それに200キロカロリーのうち、100キロカロリーしか権利を行使していないと、どうしてもあと100キロカロリー分のものが食べたくなる。そして200キロカロリーに到達したという認知とともに、その後は食べなくても我慢が出来るのである。
さてリセット期間になると、この200キロカロリーが、100キロカロリーに変更になるわけだ。これははじめはつらいが、それは実際のカロリー摂取が減少したことによる生理的な反応というのとはおよそ違う。どうせその日のカロリー量など、カミさんがその日に作ってくれた夕食の量によってバラバラなのだ。摂取できるカロリーが減ってしまったということが辛いのだ。しかしそのうち自分は100キロカロリーの権利しか行使できないのだ、という考えに慣れてしまえば、今度は新たな認知パターンが出来上がる。そして100キロカロリーを消費した時点で我慢が出来るようになる。いったいこれは何だ? 食欲が認知に依存し、空腹の満足という本来の生理的なプロセスとはかけはなれている。いわば食行動と食欲の分離とが起きているということで、そこが食行動異常的なのだ。