2019年5月3日金曜日

AI と精神療法 ①


AIに精神療法は可能か?

またこんなテーマが・・・・。でも結局引き受けてしまうのだ。でも精神療法とは何かを考えるうえでの参考にはなるかもしれない。結論から言えば可能であろうと思う。しかしそのためにはAIとの何らかの会話が成り立たなくてはならない。今のところまだ全然だめだろう。ところがAIはどこまで進歩するかわからない。私たちのAIに対する見方はディープラーニング(以下DL)の出現により全く違ったものになったと考えている。それまでのコンピューターの教師あり学習では、人間がコツコツ教え込んでいたのだ。ところがDLによりコンピューターが自分で、高速で学習するようになった。たとえば囲碁を教え込むのに、ルールだけしか知らなかったコンピューターが、人が寝ている間に、最初は互いにザル碁を打っていても、何千万回となく対局をしてひとりでにうまくなっているのだ!そして松尾豊氏が数年前にAIが人間の囲碁棋士に勝てるのは当分先だと書いていたのに、今ははるかに人間を抜き去っている。今では囲碁や将棋で人間とAIを対戦させよう、という企画そのものが意味を失っている。常にAIが勝つことが目に見えていて、おもしろくもなんともないのだ。
 ここで精神療法の特殊例として囲碁におけるいわゆる「指導碁」を考えるとしたら、この問いに対する答えは間違いなく「アリ」である。「AIに指導碁は出来るか?」という10年前ならバカバカしくて誰もまともに答えようとしなかった問いが、今は「も、もちろん・・・」としか答えられないものになっている。精神療法についてもそうならないという保証はどこにあるだろうか?