2025年7月1日火曜日

男性の性愛性とポジティブフィードバック(自己強化ループ) 1

 男性が「途中で止まることが難しい」のはなぜか❓

射精という現象が持つ「自己強化ループ=ポジティブフィードバック類似構造」

参考文献)Frederick Toates (2022) — 「A motivation model of sex addiction」

  • 性的依存行動を、ドーパミン報酬刺激+強化学習の文脈でモデル化。

  • 過度の性的行動が、Tolerance(耐性)、Escalation(加速)、Withdrawal(禁断)という依存的サイクルを形成すると説明していて、ポジティブフィードバックループそのものと捉えられる。

ポジティブフィードバックとは?

一般的に:

  • ネガティブフィードバックは安定化方向への制御(例:体温調節、血糖値調整など)。

  • ポジティブフィードバック:出力が入力をさらに強化し、システム全体がある方向に加速・爆走する。自己増強のループ。

ポジティブフィードバックの数少ない例

  • 女性の排卵(エストロゲン↑→LHサージ↑→排卵)

  • 出産時のオキシトシン分泌(子宮収縮→頚部刺激→さらにオキシトシン)

  • そして、男性の射精プロセス

 男性の射精とポジティブフィードバック

性感刺激の入力(視覚・触覚など) → 陰茎の勃起(副交感神経系主導)
  ↓
快感の上昇 → 刺激の継続・強化 → 自発的な運動の開始(摩擦、腰の動きなど)
  ↓
感覚入力がさらに高まり → 脳内の報酬系(特に視床下部、腹側被蓋野)でドーパミン活性が上昇
  ↓
交感神経が切り替わり、**射精中枢(脊髄L1-L2レベル)**が活性化 → 精管や前立腺の収縮
  ↓
射精そのものが強烈な報酬刺激となり、さらに身体はその刺激を追い求める動きをしていたように感じられる(=主観的には「止められない」)

ここで重要なのは興奮が雪だるま式に増加して止まらなくなること

性感刺激 → 快感 → 刺激の増強 → 射精への収束
というサイクルが、「自己加速するループ」になっていること。(すなわち最後まで行かないと止まらない)←進化論的に必然とされた可能性がある。(似た例:鮭が生まれ故郷の川を遡上し、ボロボロになりながら産卵をして死を迎えるプロセス)