岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist

精神科医が日常的な思いつきを綴ってみる

2012年10月20日土曜日

第13章 小脳はどこに行った?(1)

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小脳って、すごいんです それにしても小脳ほど忘れられている脳はないのではないか?前書「脳科学と心の臨床」でも私は事実上小脳のことは無視してきた。脳の絵を見ると、いつも大脳の後ろにおんぶされているような格好でついている小脳。小脳、という名前もせいもあり、なんとなくマイ...
2012年10月19日金曜日

第12章 サバン症候群が示す脳の宇宙―心理士への教訓

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患者に眠る「プチサバン」を見出す 私は心理士の皆さんにはサバン症候群が示す脳という宇宙の広さに純粋に驚嘆し、感動して欲しいと考える。それに「誰でもサバンになれるポテンシャルを持っている、問題はそれに抑制がかかっていることかも知れない」という発想は素敵だ。私たちはさま...
2012年10月18日木曜日

第12章 サバン症候群が示す脳の宇宙 (3)

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タメットの「抑制の低下、混線」仮説 次にタメット氏の説について検討したい。彼は自分自身のサバンとしての体験から出発していかに自分の頭脳が機能しているかを語る為に、きわめて説得力がある。その著書「天才が語る」から引用してみよう。 まず彼は自分の数学を通しての体験が言...
2012年10月17日水曜日

第12章 サバン症候群が示す脳の宇宙 (2)

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サバンは脳の空きスペースを利用する   サバン症候群の興味深いことは、それが脳の障害とかなり密接な関係を持っているということだ。ある脳の障害を持つということは、それを担当する皮質が使われないということを意味する。するとそれをいわばフリースペースとして、別の能力が占拠することがで...
2012年10月16日火曜日

第12章 サバン症候群が示す脳の宇宙 (1)

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  こんな想像をしたことはないだろうか?類人猿が大脳を巨大に進化させることで、人類が生まれ、高い知性を獲得したわけだが、では人類が突然変異でさらに進化したらどうなるだろうか?大友克洋の「アキラ」に出てくるような超能力を持った新人類だろうか?  私はそうは思わない。そんなの...
2012年10月15日月曜日

第11章 愛着と脳科学―心理士への教訓

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   愛着に関する研究が進み、新しい知見が得られることで、心理療法の捉え方も大きく変わらざるを得ない。愛着の問題は子供に対してのストレンジ・シチュエーションや、母親に対するAAI(成人愛着面接)などによりある程度実証的なデータを得ることができている。そしてそれにより、子供の愛着...
2012年10月14日日曜日

第11章 愛着と脳科学 (3)

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新皮質と愛着 愛着との関係で最後に登場するのは、新皮質についてであり、これはマクリーンの第三番目の脳に相当する。ただし読者としては当然次のような疑問を覚えるかもしれない。「動物でも愛着行動をちゃんと起こすということは、人間に特に発達している新皮質はあまり愛着には関係していない...
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自己紹介

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ken Okano
1956 Born in Chiba, Japan. 1982 Graduated from Tokyo Univ.Med.School. 1989~1993 Trained at Menninger School of Psychiatry. 2000. Board Certified psychiatrist in US. 2004~2014 Professor at International University of Health and Welfare, Tokyo. 2014~ Professor at Kyoto University, Graduate School
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