岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist

精神科医が日常的な思いつきを綴ってみる

2026年4月30日木曜日

甘えの相互性 7

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  素直な甘えと屈折した甘え  ところで 「甘える⇔甘えさせる」が同時に 「甘えてあげる ⇔ 甘えてもらう」となるという関係は、いわゆる「素直な甘え」という土居の概念に近いことがわかる。土居は1987年にモントリオールで開かれた国際分析学会の発表(Doi,1989)で、素直な甘え...
2026年4月29日水曜日

AIと精神分析 10

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  3.治療者としてのAIが教えてくれること  2.ではAIが治療者として機能する際の特徴について論じたが、ここではそのようなAIの在り方が私たちに投げかけている問題、私たちに示唆している問題について考えたい。  それは特に「2.治療者としてのAIの特徴」の2.に示したAIの高い...
2026年4月28日火曜日

AIと精神分析 9

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  3.「逆転移」感情が存在しないこと      ―ユーザーを 絶対に怒らない 絶対に見捨てない 絶対に飽きない  AIとしての治療者は基本的には逆転移感情を持たない。というよりはあらゆる感情を体験出来ないのである。そのような存在が治療者として機能するのか、という疑問はわきに置い...
2026年4月27日月曜日

甘えの相互性 6

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  「甘えさせる」は甘えの一形態である!    甘える側が、同時に「甘えてあげている」という関係性についてうまく描かれている例がある。それは土居による夏目漱石の「坊ちゃん」についての考察である(土居、1972)。そこではまさに坊ちゃんが下女の清に「甘えてあげ」る一方では、清が実は...
2026年4月26日日曜日

AIと精神分析 8

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  そこで私は直接AIに質問を向けてみた。「人は心を持たないとされるAIを信用し、心を開くということがどうしてできるのだろうか?」するとAIからは次のような応答があったが、それはある意味ではその通りだと言わざるを得ないものであった。 ユーザーの声からは、むしろ逆の報告も多い。実...
2026年4月25日土曜日

甘えの相互性 5

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  「能動的な受動性」を持つ甘えの相互性  ここで甘えの相互性の議論に入っていきたい。「能動的で受動的」な甘えの性質からそれはある程度必然的な性質であると言える。  先ず単純に「甘える ⇔ 甘えさせる」という関係を考えよう。言うまでもなく人はひとりで「甘える」わけにはいかない。目...
2026年4月24日金曜日

AIと精神分析 7 

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  ここでこれまでの議論をまとめておこう。  AIが言語メッセージのみのやり取りで対話をし、完全に正直であるものの、人間ではないことを明かさないようにプログラムされた場合には、私たちはほとんど生身の人間と同じように( 物事を理解し、クオリアを有し、感情を有する存在として) AIと...
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自己紹介

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ken Okano
1956 Born in Chiba, Japan. 1982 Graduated from Tokyo Univ.Med.School. 1989~1993 Trained at Menninger School of Psychiatry. 2000. Board Certified psychiatrist in US. 2004~2014 Professor at International University of Health and Welfare, Tokyo. 2014~ Professor at Kyoto University, Graduate School
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