2025年4月28日月曜日

遊びと愛着 7

 昨日のこのブログで書いた、「じゃれ合いはグラデーションを形成するのではないか」という考えについては、おそらく攻撃性以外にも性行動についても言えるのではないかと思う。通常はじゃれ合いには相手を押さえつける、英語で言うと”pinning"(ピン付けする)という特徴があるが、これは性行動において動物同士で、オスがメスを押さえつけるという行動を模していると考えられる。すると一方が他方を pinning するという行動は性行動へと移っていくグラデーションを形成している可能性が有る。

もちろんその結果として単なる戯れが性行動に移ってしまうという場合があり、これは正常な性交渉の始まりを形成する場合があるものの、一歩間違えるとこれが性加害に繋がってしまう。これもRTPと似ている。
しかし考えてみよう。この種のじゃれ合いが幼少時に一切経験されないとしたら、思春期以後の性行動は、いきなりのぶっつけ本番、遊びを含まない危険な行為になりかねないか ‥‥ 或いは性行動の起こし方がそもそもわからずにその種の行動を回避するということになりかねないのではないか。後者はいずれもデジタル世代で直接の身体接触による遊びが乏しい場合に生じてきかねない問題である。

ともあれ相互性と平等性に基づく筈の性的な関係が性加害になってしまう状況を考えてみよう。じゃれ合い にみられるような平等性が失われ、一方から他方(通常は男性から女性)への強制や脅迫が生じる。playfulness の喪失である。