岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist
精神科医が日常的な思いつきを綴ってみる
2016年11月12日土曜日
新・無意識の性質 ①
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新・無意識の性質 ●フロイトの無意識には欲動が詰まっていて、それが人を突き動かすと考えられた。 しかし「新・無意識」においては欲動に相当するものは存在しない。その代わり報酬系と本能を備えている。 フロイトの無意識に詰まっている欲動は、それが人を衝き動かすと考...
2016年11月11日金曜日
退行 再推敲 最後の部分
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トランプの当選の一つの背景には、彼の言動が、人々が普通は抑制するようなことに関わっているために、一種のカタルシスを味わっていた … そういうことなのだろうか? 治療が促進するときに治療者が抱いているイメージは、治療者患者の双方にとって安心感が生まれ、患者にとっては自分の感情...
2016年11月10日木曜日
退行 再推敲 土居の部分
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トランプ勝利の衝撃。恐ろしいけれど興味深い事実が示されたと言えるだろう。それはアメリカ人(人間一般?)の一部が、自分たちが持っている差別心を、投票という匿名性の保たれた行動により表明したということである。トランプはアメリカ人が潜在的に持っている差別心(これがない人はいないのだ)...
2016年11月9日水曜日
退行 再推敲 松木先生の部分
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松木の見解 次に松木邦裕の退行に関する論考に触れたい。松木は以前から退行の意義を問い直す論考を発表している。松木はその 2015 年の論文で、精神分析の中でも特に退行概念を無視しているのが、英国クライン派であるという。ただし Klein, M 自身は妄想-分裂ポジションへ...
2016年11月8日火曜日
分析学会の印象
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精神分析学会が終わった。11月の3,4,5と広島市で開催されたのだ。分析学会は私が唯一フルで出席する学会である。気がついたらもう20年以上も、フル参加を続けている。今回もいろいろ考えさせられたが、やはり印象的だったのは、そこは独特の空気が流れる空間であるということだった。「ある...
2016年11月7日月曜日
退行 再推敲 Balint の部分
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バリントの退行概念 Winnicott と同様に退行を治療論の文脈で扱った分析家としては、 Balint,M. の名を欠かすことはできない。彼の「治療論から見た退行 ( 中井久夫訳 ) 」に沿って以下に検討したい。 Balint の退行理論は、 Ferenzci,S...
2016年11月6日日曜日
退行 再推敲 Winnicott の部分
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対象関係論における退行 Winnicott の退行理論 Winnicott の退行の理論は、それを治療の根幹に据えたという点で特筆すべきであろう。彼の理論の骨子は比較的明快である。幼少時に親からの侵害を受けることで偽りの自己が生じる。患者の病理の理解や治療は多か...
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