1. 遊びと同期化
●「遊び」がどうして治療につながるのか?
古典的な分析的治療モデルとしての転移解釈と洞察
患者はある種の知的な理解(洞察)を得ることで変わる。
治療者「あなたは私を怖い父親のように感じていますね」
患者「そうか、これまでそういう風に人を見ていたんだ。」
● 現代的な治療モデルとしての、関係性の中での「出会い」
精神分析における「出会い」の議論
スターンらの「出会いのモーメント」
解釈を超えた「何か」としての「出会いのモーメント」
「今のモーメント」は伝統的な治療的枠組みが壊される危険にさらされる時に起きる」(p.25)。例えば・・・・(p.25)
・被分析者がやり取りをやめ「私のこと、愛していますか?」と聞く時。
・患者が何かおかしいことを言い、二人が大笑いをする時。
・患者と治療者が外出先で出会い、何か新しい相互交流的、
間主観的な動きが展開する時。
● J. ホームズ(愛着に基づく精神療法の提唱者)の理論
・ボウルビーの愛着理論は子供時代の関係性が成人の生活に与える影響や、情動的な自由の安全性の重要性を説く。
ホームズはここに最新の脳科学の知見を取り入れる
治療においては心の同期化(シンクロニゼーション)が生じている。そしてそれはメンタライゼーションと同義である。
・アラン・ショアの右脳間の一致のモデル
・ホームズはこれを自由エネルギー理論(フリストン)の予測誤差最小化の理論と同義であるという。
予測誤差最小化こそ心の持つ至上命令である ← 一体何のことだろうか?