岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist
精神科医が日常的な思いつきを綴ってみる
2026年1月19日月曜日
ジャネ書評 ①
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今溜まっている書評の3つ目がこれである。 本書「トラウマと解離の文脈 ピエール・ジャネの再発見 」は、原題が Rediscovering Pierre Janet であり、訳書の副題に対応している。表紙カバーではこちらの部分は小さく書かれていて、一見解離とトラウマに関する専門書と...
2026年1月18日日曜日
ショア書評 ①
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アラン・ショア著小林隆児訳「精神療法という技法の科学」(遠見書房、2025年) 依頼文にはこうあった。「本書は,神経科学の飛躍的な進化から生まれた対人関係神経生物学をもとに,精神療法(サイコセラピー)のアート(治療技術)の科学性を解き明かし,古典的な心理理論を捉え直し,より科...
2026年1月17日土曜日
レマ書評 ①
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レマ(Alexandra Lemma)による本書「からだは語る Minding the Body」は、新たなるヒステリー論ではないかと私は思う。(ただし本書にヒステリーという言葉は一度も出てこないが。)彼女の主張は、人の心はみな体現化(embody, 私はあえて「受肉している」と...
2026年1月16日金曜日
「甘え」の関係の双方向性について ― 精神分析的視点から ― 2
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甘え理論と精神療法の行方 土居は、アメリカ での異文化体験から、甘えの概念のヒントを得たが、その表現は直接的でかつ批判的であった。彼はアメリカ 社会において「分析的教育を受けた者でさえも、相手の甘えの願望を汲み取れない」ことに驚いたという体験を記述している。 そして実はこ...
2026年1月15日木曜日
「甘え」の関係の双方向性について ― 精神分析的視点から ― 1
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土居の甘え理論と相互性 甘え理論は、土居健郎が1950年代の異文化体験を契機に確立したものであり、日本文化を説明する鍵概念であると同時に、精神分析の文脈において早期の対象関係を論じるうえでも高い学問的価値を持つ。土居は「甘えの心理は人間存在に本来つきものの分離の事実を否定し...
2026年1月14日水曜日
ショアのメッセージ 3
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1+2を少しシンプルにまとめた。実は今●●学会に向けての抄録作成中である。 心的トラウマが脳および心に及ぼす影響に関する新たな知見が得られるようになり、PTSDや解離症という疾患概念にも新たな目が向けられるようになって来ている。PTSDと解離症を結ぶ研究として注目されているの...
2026年1月13日火曜日
ショアのメッセージ 2
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ICD-11(2022)に登場したCPTSDの概念はこの問題の理解を一歩進める役割を果たしたと言えよう。CPTSDは主として幼少時の(定義は必ずしもそうと限定してはいないが)頻回のトラウマによる長期的な影響に関する診断であり、主として単回性のトラウマによるPTSDよりさらに...
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