岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist

精神科医が日常的な思いつきを綴ってみる

2018年3月24日土曜日

精神分析新時代 推敲 41

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第 7 章 攻撃性を問い直す 初出:精神医学からみた暴力 児童心理 69(11), 909-921, 2015-08  金子書房                     暴力や攻撃性は本能なのか? 攻撃性の発露としての暴力。これが私たちの社会から消えてなくな...
2018年3月23日金曜日

解離の本 12

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●×さん (省略) この例にみられるように、母親の希望を叶えることで母親の愛情や関心を繋ぎ止めることを余儀なくされる子供は、同時にきわめて孤独な存在ともなります。この様に孤独で気持ちを伝える相手のいない生活は、心の中に別の存在が生まれるきっかけともなるのです。...
2018年3月22日木曜日

精神分析新時代 推敲 40

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自己心理学的な無意識の治療への応用  すでに述べたように、 Kohut  がその重要性を強調した内省や共感は、その定義からも、古典的な精神分析理論における無意識の内容に向けられたものとは言えなかった。そして自己心理学的な治療が目指すものが、そもそも古典的な精神分析とは大きく...
2018年3月21日水曜日

精神分析新時代 推敲 39

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ここで自己対象の調節の機能に特に注目したい。 Kohut  自身も自己対象関係を、それが内的な恒常性の安定性  internal homeostatic equilibrium を与え、自己の維持に必要なものだと述べた。ただし彼は子供が自己対象との関係で発達する上での正確なタ...
2018年3月20日火曜日

解離の本 11    推敲 38

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2-3.親を癒すために生まれる人格 一般的に、子供は親の気持ちにとても敏感です。 2-2に示したように親の感情がそれほど不安定ではなくても、子供は親が自分に関して望んでいることを時には過剰に読み取り、それに合わせる事で親を安心させたり、慰めたりすることがあります。そして ...
2018年3月19日月曜日

解離の本 10

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2-2.親の気持ちの不安定さ   子どもの解離を引き起こす要因のひとつに、親のほうの気持ちの弱さや不安定さがあります。我が子の言動に過剰に反応し、些細なことで不安定になりやすい親のもとで育つと、子どもは親の態度に敏感となります。例えば子どもが小さな失敗をした時に、親が励ま...
2018年3月18日日曜日

解離の本 9

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◆第2章 解離を生むのはトラウマか? 1. はじめに 解離性障害を理解する上で、トラウマというテーマを切り離すことはできません。アメリカの最新の診断基準である  DSM-5  には、「心的外傷およびストレス因関連症群」というカテゴリーがありますが、解離性障害はの...
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自己紹介

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ken Okano
1956 Born in Chiba, Japan. 1982 Graduated from Tokyo Univ.Med.School. 1989~1993 Trained at Menninger School of Psychiatry. 2000. Board Certified psychiatrist in US. 2004~2014 Professor at International University of Health and Welfare, Tokyo. 2014~ Professor at Kyoto University, Graduate School
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